2008年 12月 11日
ボローニャにて(午前中) |
*ボローニャは人口38万人。世界で一番古い大学のある、旧市街地を見ただけでは考えられないのですが、この街の産業って何だと思いますか?
産業革命以前は絹織物の一大産地で、ここから川を使って海路を利用しヴェネツィアまで大量に運ばれ、世界中に売りさばかれたそうです。そのため、ボローニャの人達にとってのシルクロードとは、ここからヴェネツィアまでのルートのことだそう。
・・・実は現在の街の第一の産業は精密機械なのです。
例えば日本に伊藤園というお茶で有名な企業がありますね。そこの良くホテルなどに置いてある緑茶ティーバッグなどを自動で作る機械などがここボローニャの小さな会社が手がけたものだそうです。設計から据え付け、そこの作業員が操作に慣れるまで現地に泊まり込んで徹底的に指導し、不具合にもすぐ対応するアフターフォローも万全のようです。それが好評で、紅茶のティーバッグなども世界中に普及したんだそうですよ。
大企業はほとんど無く、徒弟制度を重んじるイタリアらしく、ボローニャでも経験を積んで独立したければちゃんと本店の技術を継承できますが、本店と同じ製品を扱ってはいけないのだそうです。なので、お茶のティーバッグを扱う技術を継承しても別な・・・例えばチョコレートを包むパッケージ機械や薬品などを包むパッケージ機械などと色んな種類に枝分かれしてお互いの会社が競合しないようなシステムを上手く作り上げて共存していこうという精神が見られます。決して大きな会社にする事はなく(町工場のような会社が多数。それが赤レンガの建物の中にひしめき合っているそうです)、どこかの会社が製造ノルマや期間などで困っていたら、お互いに助け合う関係を築いているのだそう。(これも井上ひさしさんの「ボローニャ紀行」から知恵を得ました)
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ボローニャ中央駅からタクシーで10分程の距離で、途中旧市街を抜けたと思ったら、案外近代的な建物ばかりが並ぶ一角に到着。日本の建築家・故丹下健三がマスタープランを計画。確かに丹下健三を思わせる立派な施設もありました。
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かなり期待して会場に入ったのですが、主な展示品が建設機械や設計CADメーカーのデモンストレーション、屋根や外壁建材のメーカー展示ブースがズラーッと並び、それは壮観だったのですが、それほど楽しい展示会ではなかったです。強いてあげれば各メーカーのブースに居たコンパニオンの女性がとても美しかった事でしょうか(笑)。
*次回はボローニャの旧市街、中心部を紹介します。
by otani_arc_mac
| 2008-12-11 00:42
| イタリア